・タイトル
世界にひとつのプレイブック(原題“Silver Linings Playbook”)
・監督
デヴィッド・O・ラッセル
・出演者
ブラッドリー・クーパー
ジェニファー・ローレンス
ロバート・デニーロ
他
・公開年
2012年
デヴィッド・O・ラッセル監督によるラブストーリー作品。愛する人を失った二人が出会い、互いの目的のために協力し合う中で次第に人生を取り戻していく物語。
オススメ度 ★★★★☆
・あらすじ
妻の浮気が原因で心のバランスを崩したパットは、仕事も家も失い。両親とともに実家暮らし。いつか妻とよりを戻そうと奮闘していたある日、事故で夫を亡くしていた心に傷を抱えた女性ティファニーに出会う。愛らしい容姿とは裏腹に、過激な発言と突飛な行動を繰り返すティファニーに振り回されるパットだったが・・・。
映画.comより
・感想 ネタバレ含む
こういうラブストーリーもあるんだなって思いました。
彼、パット(ブラッドリー・クーパー)は躁鬱病で精神病院から退院するも、ゴミ袋を着てジョギングしたり、夜中に暴れ狂ったりで正常な判断をなくしている気がします。
心に大きな傷があるんだね。
ですが、彼は気持ちの起伏が激しい人ではもともとなさそうです。
それでもパッドは、自分はイかれていない、不幸な状況にあるだけと言い張るんです。
周りからしたら暴れまわる厄介者と見られてもおかしくありませんが、
結婚式の際に流した音楽をかけながら浮気相手と情事に及んでいるところを目撃したらそりゃ、心も壊れてしまいますよね。
誰にでも起こりうることだと思いますよ。
妻の浮気が原因で心に大きな傷を負いながらも、妻とよりを戻すために必死になるパット。そんな彼がどのようにして再生していったのか、人生に選択肢は一つじゃないってことを改めて考えさせられる作品となっています。
そんな中、両親は懸命に息子パットのことを支え続けます。父親役はロバート・デニーロ。貫禄がありますね。物語に一味も二味もスパイスを効かせてくれます。
彼は賭け事が好きで、アメフトの試合の勝敗で生計を立てています。それもそれでどうかと思いますが。笑
一方、ティファニー(ジェニファー・ローレンス)もまた心に大きな傷を負っています。彼女も結婚していましたが、夫を事故で亡くしそのショックで寂しさのあまり何人もの同じ職場の男と女と関係を持ち解雇されてしまうといった破天荒な過去を持った彼女。
そんな彼女とは友人の食事会で出会います。
パットは妻の浮気
ティファニーは夫の事故死
二人の精神疾患の発端はパートナーの喪失でした。
そこからは二人とも似た境遇にあることから、お互いに惹きつけられます。
しかし、パットは妻のことを忘れられず、よりを戻すことにこだわり続けます。
ティファニーの気持ちも知らずに、
「妻はお前とは違う!」
と言い出す始末。
散々罵った末に、ティファニーと妻が知り合いだと知ると手紙を渡して欲しいの一点張り。
飛んだわがまま小僧だと見てましたが、そこはティファニーも譲らず、ダンスの大会に出場することを条件としてパットの提案を飲みます。
なんでダンスの大会に?って思いましたが、そこは良しとしましょう。笑
それからはダンスの練習に励むパットとティファニー。次第にダンスにのめり込んでいくうちに、以前のパットの姿は消えていました。
人間、辛いことや苦しいことを経験しても、何かにのめり込み(趣味など)没頭すれば、次第にその記憶は薄れていくんだと感じました。
そんな中、妻からの手紙が届いたとティファニーから渡されます。
『改心しことは嬉しいが距離を置こう』
という内容。
手紙の内容的に、もう愛情ないだろ・・・
次の日、パットはダンスの練習に行けず、父親の賭け事でアメフトの会場に行っていたのです。賭けていたチームは負け、全財産を失った父親はカンカン。
賭け事でそこまで熱くなって全財産をかける父親のほうが異常だと思いますが・・・。笑
そこにティファニーがパットの家に押し寄せてきます。
いきなり入ってきてパットにイライラをぶちまけて、やっぱり破天荒ですな。笑
父親はティファニーが運気を弱めたから賭け事に負けたんだと言い始めるが、ティファニーとパットが会っていた日の試合は全て勝ちだったと初対面の場で父親に説教。
父親はうまく丸め込まれてました。笑
そこでパットはティファニーの言葉に何か気づきます。
それは、妻からもらった手紙にも書いてあった言葉でした。
あれは妻が書いた手紙ではなく、ティファニーが書いた手紙なんだと。ティファニーの優しさが垣間見えた瞬間でした。
以前のパットなら、その手紙に対して暴れ狂うところですが、そういうことは一切なく、パットの心情の変化が伺えます。
その最中、ヒートアップした父親はさらに賭け事をします。
「ティファニーとパットがダンス大会で5点取る!」
と賭けます。
ダンスにまで賭けようとする父親に怒ったパットは、
「ダンス大会には出場しない!」
と言い放ちますが、あの手紙を書いた主がティファニーだと知ると、その気持ちに心を動かされ、ダンス大会に出場すると決意します。
物語のラストはダンス大会。
プロのダンサーも出場するという大きな大会で二流、三流の一般人が出場できるというのも凄いこと。
そこでティファニーは、会場に観に来ていたパットの妻を見つけてしまい、パットの気持ちが妻に向くことを恐れて一人やけ酒しちゃうんですよ。
私はダンスなんかしないー!って。笑
ですが、あれだけ妻への執着があったパットが妻に見向きもせず、ティファニーとダンスを踊ります。ウォッカ2杯も飲んであんなに激しいダンスしたら・・・。笑
まあ、でも素敵なシーンでしたね。
二人で頑張ってやってきた成果って感じで。
ダンスが終わるとパットは妻の元に歩み寄ります。
それを見たティファニーは外へと飛び出します。
父親は飛び出すティファニーを見て、ティファニーのパットへの想いに気づいたのでしょう、
「運命に手を差し出されたら、何が何でも掴め!」
と、パットの背中を押す父親はかっこよかったです。
鳥肌もんでした。
最後にこれだけ、
最終的にティファニーとパットは結ばれるのですが、似た者同士が惹かれ合うってことなんでしょうかね。
内容的には、傷心しててダンス大会に向けて改心しようみたいな流れなんですが、やはり海外の映画とあって内容が精神疾患というワードを組み込んできたところがディープな感じで、私としては好きでした。
精神疾患という誰にでも起こりうることを、ダンスという爽快なテンポに合わせて展開し、観ている人に不快感を与えないところがいいと感じました。
ということで、
長くなりましたが、このへんで。
それでは。